今日日(きょうび)の高校生の、「敬語」に対する意識について~プチ調査を基に~
「敬語の乱れ」……。
これは何も若い世代に限った話ではなく、我が校の職員室内でも、恥ずかしながら「~の先生がおりましたら、」なんて言い方を耳にする始末。
が、生徒(ほとんど女子)に時々「いさお~!」などと下の名前で呼ばれると、それを強く実感させられると同時に、連中の敬語に対する知識・意識の程も気になり、今回思い立って「敬語に関する知識・意識プチ調査」を行ってみることにした次第です。
(「敬語についての知識および意識に関するアンケート.pdf」参照。なおこのアンケートの項目は、2004年、新潟大学大学院現代社会文化研究科による「生徒・学生の敬語に関する知識および意識に関するアンケート調査」を大いに参考にさせて頂きました。)
さて、「敬語=運動部」という連想が、自分にはあります。そこで担任するクラス(国際情報科1年 在籍43名、うち男子15名 女子28名・有効回答数は40名分)を、以下の4つのグループに分け、それぞれ分析・考察を加えてみようと思います。(詳しいデータは、エクセルファイル「敬語アンケート集計.xls」参照。)
・グループⅠ「中学・高校ともに運動部の生徒」(17名 男子9名・女子8名)
・グループⅡ「中学の時だけ運動部だった生徒」(11名 男子2名・女子9名)
・グループⅢ「高校の時だけ運動部の生徒」(2名 女子2名)
・グループⅣ「中学・高校ともに運動部ではない生徒」(10名 男子2名・女子8名)
(グループⅢについては2名と余りにも少ないため、考察からは除外します。)
その前に、先ずは男女の違いから。言葉遣いに関して、
・家で親と話をするとき、気を付けない生徒 男子84.6% 女子51.8%
・学校で友人と話をするとき、全然気を付けない生徒 男子38.5% 女子14.8%
また、
敬語について知っていることがある生徒 男子38.5% 女子59.3%
以上の結果から、「敬語に関する知識もなく身近な人間に対しては言葉遣いに気を付けない男子」と、「敬語に関する知識があり身近な人間に対しても言葉遣いに気を付ける女子」という姿が、朧気ながら浮かんできます。
・「中学・高校ともに運動部の生徒」他人から言葉遣いで注意された経験がある生徒の割合が82.4%と突出しているのは想定内のこととして、意外だったのは「家で親と話をするとき」気を付けない生徒の割合が、女子生徒が半数近くいるにもかかわらず82.3%と高く、また「敬語は美しい言葉だから、大切だと思う。」と答えた生徒の割合が23.5%と、他のグループに比べ低い点です。 前者については、顧問や先輩に常に気を遣わねばならないことからの反動、後者は、半ば強制的に敬語を使わされていることに対する反発と考えられましょう。
・「中学の時だけ運動部だった生徒」このグループで特徴的なのは、「4.あなたは、敬語のことをどう思いますか?」の質問に対し、積極的に肯定する解答(aとb)が、のべ127.3%と高い点です。 現在も運動部に所属し敬語を使わねばならない生徒に比べ、その縛りがないため敬語に対する印象も良いのだと考えられます。
・「中学・高校ともに運動部ではない生徒」このグループの特徴を述べると、(「3」の結果から)敬語に対する知識はある上に、(「4」の結果から)敬語に対して大変肯定的にとらえており、(「1」の結果から)家庭や学校でも言葉遣いに気を付けているものの、(「2」の結果から)他人から言葉遣いを注意・指導された経験が少なく、(「6」の結果から)敬語を身に付ける場合、学校に依存する傾向が読みとれます。
ところで、全てのグループに共通するのが、「7.あなたは、正しい敬語の使い方を身に付けたいと思いますか?」に対して「はい」と答えた生徒が多い(70.0%~100.0%)点です。
そこで、『日本語を学ぼう 日本語検定に挑戦』(東京書籍)の敬語に関する部分(1~4)を宿題として配布し夏休みを利用して学習させ、その前後に日本語検定の過去問(3級と4級)の、敬語に関する問(問1と問2)を解かせることで、その定着の度合いを調べてみることにしました。(詳しくは、エクセルファイル「敬語アンケート集計のデータとグラフを参照。)
・練習前 4級 74.2% 3級 52.0%(平成19年度 第2回問題)
・練習後 4級 75.5% 3級 72.7%(平成20年度 第1回問題)
クラス全員43名が受験。何れの数字も、平均得点率。
比較的平易な4級では練習後の伸びがほとんどありませんでしたが、3級においては平均得点率20%プラスという顕著な伸びを見せました。























