日本語大賞 10周年記念特設サイト

子どもたちに表現する楽しさを伝えたい

 湘南ゼミナールは、神奈川県を中心に、小学生から高校生までを対象とした学習塾を展開しています。過去10回の日本語大賞では、2017年から3年連続で、小学生の部の文部科学大臣賞受賞者を出しています。第10回(2019年)の受賞作『尊い。』は、セミが羽化する姿を通して、生命の尊さを学んだ経験を書いた作品で、審査委員に高く評価されました。自分の気持ちや体験を、作文でよりよく表現するには、どうすればよいのか――。湘南ゼミナールで、日本語大賞を担当している伊藤宏樹先生と吉留美紗先生に話を伺いました。

 本語大賞に応募するようになったきっかけは何ですか。

私たちが作文添削をお願いしている日本語添削技術研究所に紹介してもらったことがきっかけです。日頃の作文に対する取り組みの成果を試す良い機会だと思い、応募するようになりました。また、普段、作文指導で書いてもらう文字数は200字ですが、「もっと書きたい」という意欲があることを感じていました。そういった子どもたちに応えて、普段よりも多い文字数で、自分を表現する機会を提供したかったというのが大きな理由ですね。


 文について、どのような指導をなさっていますか。

私たちの作文指導方針は、作文の「型」を教えることと「表現する楽しさ」を伝えることです。ですから、作文を書く前には、穴埋め形式のプリントを使い、気になった言葉やおもしろいと思った言葉を集めて、その理由も考えてもらいます。また、言葉集めとともに、与えられた課題(テーマ)が求めているのは何なのかを、子どもたちと一緒に考えます。この段階を経て、序論・本論・結論といった構成を意識させながら、200字の作文を書いてもらいます。それを添削して、また書く、という授業を繰り返し行います。このように、継続して作文を書くことで、文章力が確実に身に付いていきます。


photo

 どもたちを指導するうえで、難しさを感じていることはありますか。

子どもたちの表現の幅がせまくなってきていることですね。子ども達が何かを表現するにあたって、簡単な言葉で済ませてしまうことが、どうしても多くなってきています。うれしいことだったら、「うれしい」だけ、かなしいことだったら、「かなしい」だけになりがちです。「うれしい」や「かなしい」という感情には幅があって、状況によって表現も変わってくるはずです。感情を言葉にするときに、今まで簡単な言葉で表現してきたものを、いかに豊かな言葉で、奥深く表現できるようにするか。その機微をどのように教えていくかが、やはり難しいところですね。


photo

 本語大賞への応募を通じて、子どもたちの日本語に対する意識や態度には、どのような変化がありましたか。

普段、自分たちが使っている言葉について、「この言葉にはどんな意味があるんだろう」「何でこの言葉を使うんだろう」といった言葉に対するアンテナを張ることができるようになりました。これからも子どもたちには、一つひとつの言葉を流さずに、言葉の意味や使い方に関心を持ち、自分から積極的に調べる姿勢を持ち続けてほしいです。同時に、単語一言で済ませてしまうのではなく、色々な言葉を選んで使っていってほしいですね。


 ころで、どうして湘南ゼミナールさんは、国語の指導に力を入れているのですか。

言葉を知らないと、異なるものを結びつけて考えることや、新しいものを生み出すこと、あるいはそれらを他者に伝えていくことができないと思うからです。言葉を知っていて、言葉を使いこなせるからこそ、思考を巡らせることができ、コミュニケーションを豊かなものにすることができます。国語は思考力の根幹になる教科なので、小学生のうちから、文章をしっかり読み込んでいく、自分の言葉で表現していくということに力を入れています。


photo

 のような国語の指導方針において、日本語検定に有用性があるとしたら、どのようなところでしょうか。

国語という教科の学力は、数値化して客観的に測ることがなかなか難しいと思います。入試などは一つの目安にはなりますが、「読解力」を例に取っても、この文章を読み解くことができれば、別の文章も読み解くことができるとは、一概に言えないですね。その点で言うと、日本語検定は、国語の基礎を体系的に学び、測ることができます。このことは、自分の学習の弱点を発見する機会として、とても良いものだと思います。


 後に、今後、日本語大賞へ応募する方々にメッセージをお願いします。

まずは肩の力を抜いて、楽しんでチャレンジしてほしいです。もし具体的に書きたいことがすぐに思いつかなくても、あきらめずにテーマについて考えてみることは、言葉に対して向き合う良い経験になると思います。

湘南ゼミナール

https://www.shozemi.com/

教室数:神奈川県を中心に、千葉・埼玉・東京・静岡・愛知・岐阜・三重に合計260教室を展開 ※2019年7月現在

対 象:小学校1年~高校3年生まで

コース:Kids(SMARTree/ロボ団)

小学生(小中部/個別指導コース/公立中高一貫コース/難関高受験コース/SMARTree/ロボ団)
中学生(小中部/個別指導コース/難関高受験コース)
高校生(高等部/個別指導コース)
他、森塾(小1~高3)/湘南ゼミナール主催 河合塾マナビス(高校生)


●オリジナルブランド「湘南ゼミナール」の特徴
湘南ゼミナールの講師は、子どもの学習意欲を高めるQE 授業を行っています。
湘南ゼミナール発のQE授業とは、Quick Exercise(クイックエクササイズ)の略称で、講師が発問し、生徒が答えることを繰り返す独自の双方向型授業スタイルです。
https://www.shozemi.com/aboutus/teacher/


●SHO-zemi Labs
湘南ゼミナールでは、「学ぶ」とはどういうことなのかを科学的に探究する研究チーム
「SHO-zemi Labs(湘ゼミ ラボ)」を設けています。
https://www.shozemi.com/aboutus/lab/

特設サイトTOPへ

日本語検定-次回受検日