山口仲美著 光文社新書発行
当法人の理事で、埼玉大学名誉教授の山口仲美氏の新刊をご紹介します。
現代人の常識をくつがえす「泣く」「笑う」オノマトペ
――その歴史と謎と豊かさに迫る!
「ワンワン」「ホーホケキョ」などの動物の声や「ガタガタ」「ドッカーン」などの物音、あるいは「ひらひら」「ぐにゃぐにゃ」などの物事の状態や様子を写す言葉をオノマトペという。このオノマトペを、日本人はこよなく愛してきた歴史がある。この本では、日本人の泣く声(「おんおん」「わっ」など)や泣く様子(「ほろほろ」「さめざめ」など)、笑う声(「ワッハハ」「ヘヘヘ」など)や笑う様子(「にっこり」「にたにた」など)を表わすオノマトペに焦点をしぼり、歴史の糸を手繰り寄せる。「ウェラウェラ」「ツブツブ」「ホヤホヤ」など予想外のオノマトペが続出、そこに潜む日本人の認識の仕方や時代性まで追究する。オノマトペ研究の第一人者による、斬新な日本語の歴史。
◆購入先
光文社 書籍情報サイト https://books.kobunsha.com/book/b10144758.html
Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4334107397
山口仲美(やまぐちなかみ)
1943年静岡県生まれ。お茶の水女子大学卒業。東京大学大学院修士課程修了。文学博士。日本語学者。埼玉大学名誉教授。文化功労者。古典語から現代語までの日本語の歴史を研究。特に『犬は「びよ」と鳴いていた』(光文社)、『ちんちん千鳥のなく声は』(大修館書店)など、擬音語・擬態語の歴史的研究は高く評価されている。古典の文体研究で日本古典文学会賞や金田一京助博士記念賞を、『日本語の歴史』(岩波新書)で日本エッセイスト・クラブ賞を、「日本語に関する独創的な研究」で日本学賞を受賞。2008年紫綬褒章、2016年瑞宝中綬章を受章。上記の書籍は2020年に完結した『山口仲美著作集』(風間書房、全8巻)にも収録。その後、『日本語が消滅する』『千年たっても変わらない人間の本質』(ともに幻冬舎新書)を刊行している。
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山口仲美@『日本語の歴史』岩波新書