
日本語検定を導入する意義と今後の可能性
「国際化」という言葉を聞いて,何を想像されますか。大学受験で外国語学部を受験する生徒は,必ずと言って良いほど練習していく想定試問である「国際化」。本校の指導では,「まずは私たち自身が日本文化のことについて理解を深めることが重要です」としています。しかしながら,留学生を多く輩出し,海外国公立大学への指定校推薦枠までを擁する本校において,実際のところ日本史の授業以外で日本文化について学習する機会が少ないことは問題なのでは・・・と思い日本語検定の導入を決めました。文化を形作る「ことば」を深く知ることは,文化を知ることにつながる,そして,自国の文化の良さを新たに発見することにつながると考えます。導入に際しては,教員も生徒と同じように学習することを条件にしました。もちろん,私も現在問題集で勉強中です。
「ことば」の乱れは生活の乱れにつながるという発表は数多くなされています。しかし,その因果関係を修正しようという取組みについてはいかがなものでしょうか。相手に与える印象はもちろんのこと,自分の考えていることを的確に表現することができない若年層が多くなっていることは,今後の日本に対する警告です。日本経済団体連合会が2007年2月に公表した「新卒者選考時重視するポイント」では,「コミュニケーション能力」が最重要項目となっており,学校名は上から22番目の項目となっていることは大変興味深いことです。コミュニケーションの基本は,状況に応じた表現です。ことばを知らない人は,表現する道具を多く持ちあわせていない不利な状況であることは言うまでもありません。
日本語検定を導入することによって,その最も効果が上がると期待していることは,生徒一人ひとりの表現力が豊かになることで,人としての深みや温かみが生まれてくることにあります。もちろん,検定ですから取得する級にこだわる生徒もいるでしょう。しかし,それは実は先で述べた目的に近づくための手段に過ぎません。本校では,このような観点のもとで教員が共通の認識を抱くことができており,今後の教育活動がより一層向上すると確信しています。
補足ですが,新卒者選考時に重視するポイントの第2番目に重要とされている項目は「チャレンジ精神」です。まずは学校自らの姿勢を生徒に見せるところから始まると私は考えます。