日本語はあなたを支える力強い味方

photo

埼玉大学

名誉教授

山口 仲美

 最近『山口仲美著作集・別巻』を刊行しました。四部からなります。

 第Ⅰ部は「日本語が消滅する時」。日本語は、日本列島に住む日本人の母語です。あなたがオギャアと産声をあげてから、お母さんをはじめとする家族に教えてもらった言葉です。それは、あなたの精神的な支柱になっています。この自在に操れる母語を失うと、どうなるのか? 暴力的になってしまうのです! 日本語は、日本人の世界観を作り、日本独自の文化を創り出しています。そんな日本語の魅力とは? 是非、この第Ⅰ部を楽しんでください。

 第Ⅱ部は、「男がよよよよよよと泣いていた」。男が大声をあげて泣くのはみっともないと現代の私たちは考えます。でも、歴史を遡って行くと、意外や意外。男が子供のように声をあげて泣くのがかっこいい時代があった! いつ? どうして?

 現代人の笑い声の代表は、「ははは」。女性がちょっと上品ぶると「ほほほ」。でも、男が「ほほ」と笑っている時代があった! いつ? なぜ?

 こんなふうに、泣く声や様子、笑う声や様子を写すオノマトペの歴史を辿ると、予想外の事実が浮かび上がり、そうだったのかと膝を打ってくださるでしょう。

 第Ⅲ部は、「千年たっても変わらない人間の本質」。平安時代は、日本人が自在に操れるひらがな・カタカナを生み出した時代。文字を持った日本人は、それまで口頭で伝えられた話をベースに創造の翼を羽ばたかせ、たくさんの文学作品を創出。『竹取物語』『伊勢物語』『蜻蛉日記』『枕草子』『源氏物語』など。これらの作品は、活力に満ち、現代人に多くのことを伝え教えてくれます。恋愛成就の方法、人生の歩み方、結婚生活の知恵、権力者の資質、リーダーの資格、命が危機にさらされた時の対処法など。現代人がそのまま適用できる見事な平安時代人の知恵。ぜひ、我がものにしようではありませんか。

 「付編」は、エッセイ・インタビュー・対談を収録。恋の歌十首を題材にした「対談」など、本音があふれていて、吹き出しそうになるかもしれません。

 以上が、別巻の内容紹介。読後に、しみじみと日本語の重要さ、楽しさを感じていただけます。

 さて、くりかえしますが、日本語は、日本人を支える精神的支柱。その日本語を、あなたはどの程度理解して使用しているのか、知りたくありませんか?

 知りたくなったら、日本語検定を受けてみてください。三級が受かれば、あなたの日本語力は立派なもの。日本語検定は、現時点でのあなたの読み・書きの実力を教えてくれます。努力すると、どんどん上がる!

 話す・聞くの能力もはかれるともっと面白いのですが。日本語検定が、そんな能力をも計ってくれるようになったら、夢の実現ですね。

photo

日本語の問題
日本語が消滅する時・男が「よよよよよよ」と泣いていた・千年たっても変わらない人間の本質

風間書房

山口仲美

発行年月日:2026/05/25
頁数:784頁
判型:A5
ISBNコード:978-4-7599-2570-8
書籍詳細:https://www.kazamashobo.co.jp/books/2570/

山口 仲美(やまぐち なかみ)

専門は、日本語学(日本語史。特にオノマトペの歴史。古典の文体研究)お茶の水女子大学卒業、東京大学大学院修士課程修了。文学博士。日本語検定委員会理事。埼玉大学名誉教授。金田一京助博士記念賞、日本エッセイスト・クラブ賞をはじめとする多くの賞を受け、現在、文化功労者。

X(エックス):https://x.com/Naka8091