幼児向けの歌やダンスなどで親子から絶大な支持を得る、教育系YouTubeチャンネル「ボンボンアカデミー」の、加藤一華(いっちー)氏と金城成美(なる)氏。
対面でのイベントやコンサートなども精力的に行う両氏に、子どもと接する日々の中で感じていることなどについて、お話を伺いました。
ボンボンアカデミーとは チャンネル登録者76 万人超! 累計再生回数16億回超! 日本トップクラスの再生回数を誇る教育系YouTube チャンネル。保育士や教員の方、ご年配の方々、おうち学習にもぴったりな「おもしろくて、ためになる」動画がいっぱいの教育系YouTube 公式チャンネルです。いっちー&なるの歌、ダンス、体操動画を中心に、昔話、生き物、乗り物、英語チャンツ、Phonics、折り紙、知育などの学びコンテンツがたくさん!
ご活動について教えてください。
YouTubeチャンネル「ボンボンアカデミー」を2015年に立ち上げ、童謡や唱歌を歌ったり、踊りや手遊びをしたりしています。全国各地でイベントを行うほか、一昨年からはオーケストラといっしょのファミリーコンサートも開催しています。
チャンネル登録者は70万人を超え、お子さんに絶大な人気がありますね。
よくイベントなどの場で「二人のおかげでおかずが何品作れた」などと言われるのですが、親御さんが家事で忙しいときにも、子どもに「これ観ててね」と安心して言えるチャンネルになっているのだと思うと、背筋が伸びる思いです。
お子さんとのコミュニケーションで意識されていることはありますか?
まだ話しはじめの子も多いので、体の動きや表情を大きくする、オノマトペを多用するなどの感性に訴えかけるような言葉選びを意識しています。
また、こちらがたくさん話してしまうとビックリして泣いてしまう子もいますし、逆に、こちらが聞き手になってしまうくらいの積極的な子もいるので、相手のペースに合わせて話すことを心がけています。
ほかには、トークが飽きないように抑揚を大きくつけてしゃべる、「うわ!あれ見てー!」「みんな、こっちだよー!」というように、高いテンションを維持することでしょうか。
自分が見られていると思うとこちらに目を向けてくれる子も多いので、「今日、電車で来た人?」と投げかけるなど、相手が聞いているだけにならないよう工夫しています。
普段お話しになる言葉について、参考にされているものはありますか?
私(なる)は、小さいころから絵本が好きで、今もよくチェックしています。勉強のために見るというより、楽しいので読んでいます。絵本にはたくさんのオノマトペが出てきて面白いです。
実は、絵本にオノマトペがいっぱい出てくるのって日本特有なんですよね。日本語の素敵なところですよね。
日本語の素敵なところといえば、比喩もそうですよね。『きみの歩いた道はにじいろ』という曲を(いっちーが)書いたのですが、英語や手話などに翻訳しようとすると、うまく伝わらない。あと、最近『ゲンキダネ』という、「子どもの成長」と「種」を掛けた親父ギャグみたいな曲を書きましたが、これも訳せない。日本語ならではの面白さなんだと思います。ちなみに私(いっちー)は、スローガンや標語を考えるのが昔から好きで、学校で募集があると、だいたい言葉遊びで20個くらい案を出して毎回受賞していました。
日本語検定では、今の時代の「正しい日本語」とは何か、日本語の規範を示すことを目指しているのですが、正しい日本語について、何かお考えがあれば教えてください。
古くから歌い継がれている曲をとりあげることが多いので、歌詞を通して「正しい日本語」に触れる機会は多いように思います。特に唱歌には難しい日本語が本当に多くて、これってどういう意味だろう? と調べて、そこから振付を考えたりするので。
また、特にここ一年は、イベントをやるようになったこともあり、親の目線で考えたときに「この言葉選びは適切か?」と考えるようになりました。
そして最近では、作詞家さんといっしょにお仕事をする機会が増えたことで、「美しい日本語を使っている方ってすごくカッコいいな。私もこんな綺麗な日本語を話せたらいいな」と、言葉について意識しはじめるようになりました。
本誌の読者には保育士や教員を目指している学生さんがいるのですが、メッセージをいただけますか?
子どもたちは今「はじめて」を経験している真っ最中なので、そこに負けないパワーで頑張ってほしいなと思います。私たちはそこに寄り添い、何かを分け与えられるように「いっしょに頑張ろう!」という気持ちなので、頼れるときはどうぞ頼ってください(笑)。
作詞作曲、そしてお子さんと関わる仕事をするようになってから後悔したことは、学生のころ、もうちょっと国語の勉強をしっかりやっておけばよかったなと……。大人になってからの勉強時間ってこんなに少ないんだと最近分かって。学生のうちにたくさん勉強して、本も読んで、いろんなところから吸収してほしいなと思います。
今後の展望について教えてください。
私たちは、特別歌が上手いわけでも音楽学校を出ているわけでもありませんし、ダンスがすごく上手いわけでもありません。そんな私たちが伝えられるのは、「歌の楽しさ」だと思っています。「下手でも楽しめる」「上手くなくてもいいんだ」ということを、国境、性別、年齢を超えて伝えていけたらと思っています。
音楽は、言葉や詩の「入り口」をとても入りやすくしてくれるものです。イベントに来てくれる多くの子どもたちにとっては、初めて聴く生のオーケストラであり、そしてはじめての「歌のおねえさん」です。
ボンボンアカデミーはこれからも、そうしたいろいろなものの「入り口」でありたいと願っています。
チャンネル登録者76万人超、累計再生回数16億回!日本で最も人気の子供向けYouTubeチャンネル「ボンボンアカデミー」から初めての絵本が登場!YouTubeで1000万再生を超える人気の楽曲を、「どうよう・てあそび」と「たいそう・ダンス」で2冊にまとめた、ご自宅や保育の現場で役立つ定番の絵本です。
いっちー&なる
ボンボンアカデミー
チャンネル登録者数76万人、動画総再生回数16億回を超えるYouTube公式チャンネル「ボンボンアカデミー」のうたのおねえさん。歌やダンスが大好きな、いっちー(右)となる(左)の二人で幼稚園や保育園での人気曲、日本の唱歌、手あそび歌、英語の歌、ダンスや体操動画など多数配信中。未就学児から年配の方まで幅広く着実にファンを増やしている。さらに「ボンボンTV(登録者数242万人)」「いちなるといっしょ! ボンボンアカデミー(登録者数62万人)」ではボンボンアカデミーより上の年代に向けて活動中。
2020年 テレビ東京系列のTVアニメ「おばけずかん」主題歌(歌:水樹奈々)の振付を担当。同年7月には「おはスタ」に出演し同ダンスを生パフォーマンス。
2021年 テレビ東京系列のTVアニメ「ミュークルドリーミー みっくす!」オープニング&エンディング主題歌を担当。同番組の実写パートにも出演。
2022年 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団とともに、東京オペラシティを含む6会場をまわる「0歳からのファミリーコンサート いっちー&なる オーケストラといっしょ〜親子で歌ってGOGOGO 〜」に出演。
2023年 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団とのツアー「0歳からのファミリーコンサート いっちー&なる オーケストラといっしょ 〜親子で楽しむハロウィンPARTY!! 〜」も開催。第38回童謡こどものうたコンクール応援サポーターに就任。初めての絵本「ボンボンアカデミー 親子でたのしむどうよう・てあそびえほん」「ボンボンアカデミー 親子でたのしむたいそう・ダンスえほん」を発売。近年は作詞作曲にも挑戦し、さらに幅を広げて活動中!
ボンボンアカデミー公式サイト:https://bom-bom-academy.com