活用事例 - 保育園・小中学校

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    吉田緑保育園 園長

    長谷川 智子 先生

    合格だぁ!!日本語って美しいネ!!

    ここは小さな田舎町。子ども達は素直で明るい活動的な子どもばかりです。

    ところが,中学校の校長先生から「学力がネー」という声を聞きました。保育園と小学校の交流会の場でも「えっ!この子達の言葉づかい?」と感じることがしばしばです。そこで日本語検定に挑戦することにしました。最初6人で挑戦した受検も,保育士,保護者有志が加わり20 名を超えるようになりました。

    子どもたちは本を買ったりゲームソフトで勉強したりと自分なりに工夫して勉強しているようです。満点を取った子どもは「勉強が楽しい,テストが好き」と言っています。自分が勉強したことが正当な評価をされるという事実は,学校の勉強の意欲にもつながって行っていると思います。

    「学力がネー」という校長先生の言葉も,この子達が中学生になる頃には払拭できるのではないかと期待しています。

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    板橋区立高等第一小学校

    池田 恭一 先生

    言語力育成と学習意欲に効果

    本校では,土曜日に「土曜寺子屋教室」を実施していて,その一環として「日本語教室」を開催し,「日本語検定」に向けての学習を行っています。秋に実施される「検定日」に向けて,1学期と2学期に1回ずつ,検定を受検するしないを問わず参加できる「日本語教室」を開催しています。

    今の子どもたちは,文章を読み取る力や,正しい言葉で表現する力が不足しています。新しい学習指導要領では,言語力育成のために,「言語活動の充実」が各教科に求められています。

    その中核となるのが「国語」であり,日本語検定に取り組むことは,言語力の育成に大いに役立つことと実感しています。また,学校の国語の授業をさらに発展的に意欲をもって学習したい児童にとっては,よい学習の場であり,挑戦の場でもあります。言語力育成の観点と,学習の意欲の観点から「日本語検定」を実施しています。

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    北区立なでしこ小学校

    本間 正江 先生

    子どもの話し言葉は,日々の生活の中で耳学問として身に付けていくことが大半です。敬語の使い分けも周囲の大人に感化されながら次第に覚えていく姿を目にしていましたが,近年はメディアの影響も含め,困難な状況にあります。

    中央教育審議会答申で「言語の能力は(中略)子どもたちが他者や社会とかかわる上でも必要な力である」としています。話し言葉に限らず,日本語を美しく日々の中で使うことは言語の能力を高めるとともに,豊かな心情を培う上でも有効であると考え本校でも力を入れています。

    日本語検定受検は,児童・保護者・教員に向け,任意で勧めましたが,当日の監督者は地域の方にお願いしました。校内にとどめず地域とともに日本語の在り方について考え,国際化の中,正しい日本語を国内外に発信して欲しいという願いがあるからです。

    日本語検定の発展とともに本地域の日本語を駆使する力が一層高まることを期待しています。

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    盛岡市立青山小学校

    小森 陵一 先生

    児童の意欲を引き出すきっかけの一つに

    本校は算数の研究に取り組んでいますが,思考力の基礎として国語の力も大切だと考えています。その取り組みの一つとして,「日本語検定」の問題を活用しています。普段,何 気なく使っている日本語ですが,改めて問われると迷う事も多く,児童にはよい刺激となっています。また,自分の力を確かめ,さらに学習意欲を喚起しようと,検定への挑戦をすすめています。

    21 年度から団体受検を始め,のべ23 名の児童が受検しました。結果を手渡す時,全員に受検の動機や受検後の感想を聞いています。「結果はどうであっても,この機会に自分なりに勉強ができて良かった。」とか,「このような受検の機会がこれからもあると思う。ここで経験することはいいことだと思って受けてみた。」という前向きな言葉が返ってきます。

    普段の教室では得られない貴重な体験ができているのだと思います。これからも児童が成長する機会の一つとして,「日本語検定」を活用していきたいと考えています。

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    大分県立大分豊府中学校

    小坂 吏香 先生

    国際社会で活躍するためには、まず日本語を

    本校は、県内唯一の公立の併設型中高一貫教育校で、「国際社会でリーダーとして活躍できる人材」の育成を目指し、言語活動の充実を研究テーマに掲げて、確かな学力と豊かな人間性を養う教育の推進に努めています。確かな学力の基礎となるのは国語の力であり、それを培うために日々の実践を行っています。日本語を正しく使えるということは、自らの思考及びその深化を助け、他者とのコミュニケーションを支える重要な要素であることを、授業ではもちろんのことですが、あらゆる機会を捉えて発信しています。

    語彙力を高めるために、授業前に実施している「豊府タイム」(朝読書+英国数の学習時間)で、毎朝10 分間、語彙や文法、慣用表現等の基礎学習トレーニングを地道に積み重ねています。また、自主的に力をつけようとする姿勢を育てたいと、検定試験への挑戦を推奨しており、希望者による土曜日の学習講座「土曜寺子屋」でも、各種検定対策の講座を設定しています。生徒たちは互いに、競争意識と「皆で合格しよう」という仲間意識を持って、学習に励んでいます。

    日本語検定は、日頃の取り組みの成果を測ることのできる有効な手段の一つです。特に、受検した生徒はバランスの良い日本語力を身につける大切さを実感しています。また、実生活のさまざまな場面で経験する6分野であるので、これからも「国際社会で活躍するためには、まずは日本語を正しく使えることが重要である」と発信しながら、日本語検定に向けて頑張らせたいと思っています。

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    京都光華中学・高等学校

    高田 正城 先生

    言葉がこころをひらく

    人間は人と人との関係の中でしか生きることが出来ません。「仏教精神による女子教育」を建学の精神とする本校では、その人間関係が希薄になりつつある現代を生き抜いていく女性に課せられた最大のテーマが、「真のコミュニケーション能力を身に付けること」であると考えています。

    例えば将来の子育てにおいて、正しい知識や感性を子どもに伝えることはとても重要なことです。しかしながら過剰な情報が氾濫し、人を傷つけることに無頓着な言動が飛び交う現代社会の中でそれを全うするためには、「人として美しく生きてほしい」という親の純粋な、透き通った願いと共にそれを正しく伝えるための言葉の存在が何よりも大切なのだと思います。

    各種ある国語関係の検定の中で、本校が日本語検定を採択した理由はまさにそこにあります。語検では、6つの領域から幅広く出題されます。例えば漢字だけ突出した知識を誇っても、他分野とのバランスが取れていなければ合格できない点が語検の難関でもあり、何よりの特長と言える点ではないでしょうか。だからこそ合格(認定)の価値も高くなるのだと思います。本校では、選択科目の中に語検の対応講座を設定し、毎年より多くの受検者、合格者が出るよう取り組んでいます。正しい知識に裏打ちされた本物の言葉こそが、人のこころの扉をひらくものという願いをこめて……。