日本語を大切にする会社

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太平工材株式会社

代表取締役

平位 稔之

 弊社は兵庫県の西部、姫路市を中心にステンレスやアルミニウムなどの金属材料の販売と加工を行っています。お客様からは「鋼材屋さん」「材料屋さん」と呼ばれています。地域のものづくり企業に日々金属材料をお届けしております。ポリシーは「顧客密着」「即納」です。お客様と直接顔を合わせてコミュニケーションをとることを大切にしています。配送は全て自社の営業マンと配達マンが担っており、これによりお客様の製造現場の理解が深まり、お客様とのより強い関係構築につながっています。

 弊社では以前から文字や文章を書くということを大切にしてきました。全員が毎年 2 回、テーマを決めて作文を書いています。原稿用紙 3 枚に書いています。パソコンで文書を作成するのが当たり前の時代になっても手書きにこだわって続けています。手書きにすることで仮名遣いや漢字などを正確に書く力を身につけることができます。

 15 年前からは毎年 1 回「読書感想発表会」を開催しています。全員がその年に読んだおすすめの本 1 冊をみんなの前で発表するという行事です。70 人以上が発表しますので 1 日がかりですが、不思議と飽きません。現代小説・古典・ビジネス書・趣味の本から図鑑まで本当に様々なジャンルの本が紹介されます。短時間で要約と感想を発表しますので、文章をまとめたり、プレゼンする力を養うことにつながっています。またその社員の好きなことや考え、人柄などがよくわかってとても有意義な時間となっています。

 2015 年に日本語検定の存在を知り、受検者を募ってみたところたくさんの社員が応募してくれました。これまで作文や読書感想発表会を続けてきた風土がありましたので、自然に受け入れられました。今ではすっかり恒例行事となり毎年 2 回受検の機会があるので目標 設定やモチベーションの維持につながっています。

 2017 年に現在の場所に新社屋・新工場を新築移転しました。新社屋はカフェスペースやキッズルーム、そして小さいながらも図書室も新しく設置することができました。私の蔵書を中心に社員も持ち寄り、今では約 3,000 冊の本があります。仕事に関係のある金属や機械関係の本から経営・経済に関する本、小説や漫画もあります。そして日本語検定のコーナーもあり、参考書や問題集・過去の試験問題と取り寄せた解答集も揃えています。社員は自由に持ち帰ったり、読んだりすることができます。

 10 年前から本格的に新卒採用を開始し、若い社員が次第に定着してくれるようになりました。現在の平均年齢は 32 歳前後です。若手社員の中には、日本語検定の受検をきっかけに読書に興味を持ち、図書室にある本を手に取ってたくさんの小説を読破している社員や新聞を毎日読むようになったという社員もいます。

 コミュニケーションの基礎である日本語を正しく「読む・書く・話す」ということの大切さを忘れそうになる現代社会のなかで、手書きの作文や読書にこだわってきた私たちの社風の醸成に日本語検定は大いに役立っていると思います。この社風や取組みは長期的に会社の発展や社員の幸福に必ず結びつくと信じています。これから入社してくる社員たちにも日本語検定を受験していただいて、正しい日本語、美しい日本語を学んでほしいと思います。

平位 稔之(ひらい としゆき)

太平工材株式会社 代表取締役

1967 年 三重県生まれ。
2000 年 太平工材株式会社入社。
2007 年 代表取締役就任

太平工材株式会社 会社概要

兵庫県姫路市飾磨区細江 1210 番地 1
地域密着型の金属材料の加工商社で、約 1200 社のものづくり企業にステンレスやアルミニウムなどの金属材料を必要な時に・必要なだけ・必要な形にしてお届けしています。 社員 74 名。