専門の知識とスキルに
人間力と日本語力をあわせ持つ人材を育てる

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東京ウェディング・ホテル専門学校

事務局長

菅野 悠

国内最大級の専門学校グループ『滋慶学園グループ』を母体とする『東京ウェディング・ホテル専門学校』。授業やインターンシップにおける企業との繋がりが深く、就職に強い専門学校には、全国から入学を希望する学生たちが集う。現に、コロナ禍で新卒採用を控える企業が増える中、ウェディング関連業界への就職希望者内定率は驚異の100%を誇る。2020年に他では類を見ない「ウェディングプランナー科(3年制)」を新設。企業が求める人材を育てるための独自カリキュラムや日本語検定の教材や試験を導入した意義について、事務局長の菅野 悠さんに伺った。

豊富な実践を積んで即戦力になる

本校には、2014年の開校当時(旧『専門学校 東京ウェディングカレッジ』)より設けられた「ウェディング科(2年制)」と昨年新設された「ウェディングプランナー科(3年制)」があります。ウェディングプランナー、ドレススタイリスト、ブライダルフラワー、ブライダル写真動画の4つの専攻をすべて学んだうえで専攻を絞ることができる「ウェディング科」に対し、「ウェディングプランナー科」は、ウェディングプランナーとしてすぐに活躍できるように、在学中に入社後に受ける新人研修や現場での実践を数多く経験してもらいます。

即戦力となる人材を育てるために力を入れているのが、できるだけ多くの現場を経験や体感できるカリキュラムです。数多くの有名企業と連携し(90社・180か所以上)、現役のプランナーを授業に講師として招く、結婚式場やゲストハウス、フローリストなどで働く、企業とともに人材を育てる環境を整えています。実は、美容師や看護師と異なり、高校生や学生の世代にとってウェディングの仕事はどんな仕事をしているのかが解りにくい。ですから、企業側から教えていただくことによって、学生は仕事としてイメージしやすくなるので、非常に有益だと思っています。

たとえば、新設した「ウェディングプランナー科」は、2年生のときに企業に半年間インターシップに行きます。平日も丸ごとです。そこで、日々ウェディングプランナーの仕事に関わり研鑽を積む。願わくば、お世話になった企業に就職してウェディングプランナーとして働けるのが理想です。さらに、第一線で活躍する大手結婚式場のプランナーを講師に招いて1年間の授業を受け、総仕上げとしてプランナーさんのいる式場で模擬披露宴を行います。また、「ウェディング科」は土日中心で3か月の実習を経て、最終的には実際に挙式・披露宴をされる方を募集し、学内にある結婚式場型校舎で実際の挙式・披露宴を催す。いずれの学科も、学んだ知識やスキルをどれだけ発揮できるかを、客観的に知ることができる機会を設けているのです。

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社会に出る前に社会人の基礎を学ぶ

ウェディングの仕事は資格ありきの仕事ではありません。何もない状態から2人のためだけのウェディングをクリエイトします。提案力やカウンセリング力も大事ですが、挙式する方のプランナーに対する要望の中には、“あなただからお願いしたい”、”あなたにお任せしたい” ということも少なくありません。つまり、ビジネスパーソンとしての素養の高さが重要になってきます。第一印象がいい、頼りがいがある、「報・連・相」が正確である、手紙の文字が美しいといった、当たり前だと思われることを丁寧にできる人が求められるのです。

そこで、実践とともに大事にしているカリキュラムが「オフィスワーク基礎・応用」の授業です。全国で結婚式を運営されている大手企業の新入社員研修を指導されている方を講師に招き、1回90分(現在はコロナ禍のため70分に凝縮)を週1回、年間で30週行っています。立ち居振る舞いをはじめ、言葉遣い(敬語、言い回し、クッション語など)、名刺交換の所作、電話の対応、メールのビジネス文章など、高校を卒業したばかりの学生には難しく戸惑いもあると思いますが、社会に出る前から社会人の基礎がみっちり学べるので、学生にとって大きな自信になるはずです。

こうした教育を通して、自分の頭で考えて行動できるビジネスパーソンを企業に輩出し続けることが、本校の使命だと思っています。

ウェディングの仕事に不可欠な日本語

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また、カリキュラム以外の特色として、初年度の授業料が減免される「特待生制度」があります。入試に合格した学生が、実技または筆記の試験にチャレンジし、成績優秀者(入学定員の15%)となった場合に資格が与えられます。実技は、「レストランサービス」または「フラワーサービス」、筆記は「日本語検定(日本語検定2級のレベル)」。以前、筆記試験は英語の試験を行っていましたが、ウェディングの仕事に限らず、仕事をするうえで軸になるのは日本語ではないか。適切な日本語を使う、メールを書く、手紙を書く。高校生にはなじみがなくても、社会人になればルーティンワークです。特に、ウェディングでは日本語の使い方が仕事の質を左右することさえあります。そこで、安定した試験実績があり、わが校のニーズに適切な問題を提供していただける日本語検定の導入に至りました。

学校説明会のときに「特待生制度」の説明をし、筆記試験を受ける方には、日本語検定委員会に編纂していただいたわが校オリジナルの「ステップアップ日本語講座」テキスト、総合問題、模擬問題をお渡して自己学習していただきます。日本語検定2級はレベルが高いので、学生さんの中には日本語検定の市販のテキストを購入し、みっちり勉強して試験に臨まれる方もいらっしゃるほどです。敬語や語彙力を身につけるには早ければ早いほどいいですし、入学後も就職してからもずっと使い続けるものですから、早くなじんでほしいと思っています。学生も、母語ですから学べば理解できますし、将来的にも必要なものであるという認識はあるようです。試験のためであれ、日本語の重要性に気づいてくれるだけでも、日本語検定を取り入れた効果はあると思います。

また、専門学校として運営していく中で、専門的な仕事の知識やスキルを教えるだけでは不十分だという思いから、滋慶学園グループ全体としても”職業人教育を通じて社会に貢献する”というミッションを掲げています。学生のみなさんに提供しているのは、職業教育ではなく職業“人”教育。そのうえで、コミュニケーションを司る言葉として日本語が理解でき、正しく使えることは、社会人としての信頼を得る要素の1つだと思います。体系立てられた試験と充実した教材を兼ね備えた日本語検定を取り入れたことで、わが校の教育にも厚みが増しました。

コロナ前よりも結婚式が減り、”結婚式は当然挙げるもの”という認識が変化していますが、ウェディング業界には産学連携で業界全体を盛り上げていこうという機運があります。男女問わずプロフェッショナルになれる職種。新しい発想やチャレンジで、ウェディング業界に新たな風を吹き込んでくれる若い力に期待しています!

菅野 悠(すがの ゆう)

学校法人滋慶学園 東京ウェディング・ホテル専門学校 事務局長

大学卒業後、新卒で入社、学園グループの専門学校や新規事業部での勤務を経て2014年東京ウェディング・ホテル専門学校(当時の学校名は専門学校 東京ウェディングカレッジ)の新規開校を担当。2017年より同校の事務局長を務める。

東京ウェディング・ホテル専門学校 学校概要

即戦力を身につけたウェディングプランナー・ドレススタイリスト・フローリスト・ブライダルフォトグラファーを目指す専門学校。「現場で学びプロになる」を教育のコンセプトに産学連携の実習やハウスウェディングの授業で実践的に学ぶ。就職希望者内定率は5年連続100%。
ホームページ https://www.wedding.ac.jp/