大学入試に向けた日本語検定の有効な活用法

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国語専門塾「リード」

塾長

高倉 啓輔

 はじめまして。高倉啓輔と申します。私は群馬県高崎市で国語専門塾「リード」を運営しております。リードは東大・医学部・早慶といった最難関大学を目指す高校生を応援する国語専門の学習塾です。授業では「対話」を大切にしており、机をコの字型にして生徒達の発言を促すようにしています。開講して2年ではありますが、東北大学経済学部、早稲田大学文化構想学部、慶応大学理工学部といった大学への合格者が誕生しています。

 2024年度は県外の生徒・保護者様からのご要望にお応えして「共通テストオンライン講座」を開講いたします。2025年度より出題内容が大きく変わる共通テスト国語の対策授業を、対面オンライン型の授業でお届けします。受験生を取り巻く環境は刻々と変わりますが、成績を上げるため一番必要なことは何か、と問い続ける姿勢を常に忘れず、私自身も成長できたらと思っています。

 さて、先ほど、2025度より共通テスト国語の出題内容が大きく変わると述べましたが、一番大きな変更点として実用的文章の出題が挙げられます。この問題では、ゴミの分別やボランティアといった身近なテーマについて書かれた文章を、表やグラフと照らし合わせながら正確に読み取ることが要求されます。文章の要約や資料に基づくレポートへの適切なアドバイスも求められ、抽象的な表現や複雑な構文は少ないものの、とにかく効率とスピードが重要になります。

 ただ、対策として反復練習が必要なのはもちろんなのですが、実用文読解は新傾向の問題であり、練習に適した問題集を書店ではあまり見かけません。そこでおすすめしたいのが、ずばり日本語検定の問題です。日本語検定は「敬語」「文法」「語彙」「言葉の意味」「表記」「漢字」「総合問題」の七つの単元からなる試験ですが、出題単元の一つである「総合問題」では、文章とグラフ・表との正確な照合そしてスピードが求められ、まさに実用文対策にうってつけです。大学受験生の方には「総合問題」の演習を通して、実用文読解の基礎を築いてもらえたら、と思います。

 また日本語検定の問題では、大学入試に必要な語彙を鍛えることもできます。共通テストの国語では言葉の意味を問う問題がしばしば出題されます。ちなみに2024年度の共通テストでは「やにわに」が出題され、多くの受験生が解答に苦しみました。近年は共通テストの結果のみで合否が判定される「共通テスト利用入試」を合否判定の手段として導入する私立大学も多いため、1点でも多く得点を取りたいというのが受験生の真情です。このような状況において語彙問題への対策が必要なのは言うまでもありません。日本語検定には「語彙」と「言葉の意味」という二つの単元があり、両単元の問題を解き込むことで、語彙力は格段に上がります。語彙はゆるやかに身に付くものですから、早い段階から学習を始めてほしいと思います。

 このように日本語検定の問題は、実用文の対策と語彙の充実において共通テスト国語の有効な対策となりますが、実は130以上の大学で日本語検定の取得が合否判定で評価されており、年々増えています。教材として活用するだけでなく、大学入試を突破する手段としても、日本語検定の取得を是非とも目指していただけたらと思います。

 さて、ここまで大学入試に向けた日本語検定の活用法について述べましたが、大学進学後は、本格的に各等級の取得に向けて学習を進めてほしいと思います。と申しあげますのも、大学を卒業して社会に出ますと、上司に仕事内容を報告したり、取引先にメールをしたりなど、実際の場面において適切な日本語の使用を求められることが多くなるからです。上司に企画書を提出する際に「ご一読していただけませんでしょうか」と伝えてしまうと読んでもらえない可能性があります。また相手の許可を取る必要がない場面で「それでは発表させていただきます」と述べると冗長な印象を生んでしまいます。実際に仕事をしながら適切な日本語を身に付けていく、とはいっても、忙しさ故なかなか指摘してもらえないことも想定できます。社会に出る前に、日本語検定を通して適切な日本語の使い方を身に付けてもらえたらと思います。また大学入試と同様に日本語検定の取得を優遇する企業もあります。社会人として適切な日本語を身に付けるためにも、就職活動の手段としても、日本語検定を是非ともご活用ください。

 さて、このように学習を進めていざ社会に出たら日本語検定の学習は終わりとなるのか。いえいえ、そんなことはありません。学習を進めるうちに、日本語そのものへの興味関心がきっと高まることと思います。そうであれば、まだ取得してない等級の取得へと、さらなる高みを目指しましょう。ちなみに日本語検定には1級を10回取得することで得られる「日本語の達人」という称号がありますよね。日本語の学習はまだまだ続きますよ。

 私はふだん高校生に大学受験の国語を教えていますが、授業の合間に、受験の枠をこえた日本語そのものの面白さを伝えることを意識しています。たとえば、「が」と「を」の使い分けなど。受験の世界で問われることはそう多くはないですが、よくよく考えてみると「パンが好き」とは言えても「パンを好き」とは言えないですね。なのに「水が飲みたい」とも「水を飲みたい」とも言えますね。ここにはどんな言葉の秘密があるのでしょうか。その謎が解け、日本語って面白い!と思えたら、生徒たちは自発的に国語の学習を進めるようになります。この「好きを促す」というのが、教師の仕事の本質ではないでしょうか。

 以心伝心という言葉もあり、ノンバーバルコミュニケーションの重要性も指摘されますが、初対面でお互いの人となりがあまりよく分かっていない者同士がコミュニケーションする際、関係の構築において適切な日本語を用いることは重要かと思います。英語が話せること、漢字に詳しいこと、どちらも素敵なことと思いますが、私たちが普段何気なく用いている日本語を適切に美しく使えることこそ本当に素敵なことなのではないでしょうか??私も言葉に携わる人間の一人として、日本語力を日々磨いていかなければと思っています。

 日本語に興味を抱き、学ぶ人が増え、人々の社会生活がより豊かになることを願っております。

高倉 啓輔(たかくら けいすけ)

国語専門塾「リード」塾長

群馬県高崎市の国語専門塾「リード」塾長 東大・医学部・早慶といった最難関大学を志す生徒の国語力を高めるため、奮闘の日々を送る。ラジオ高崎『響く日本語』では日本語の魅力を発信し、桐原書店『新しい共通テスト国語対策問題集現代文編』では実用文問題の対策について動画で解説している。

国語専門塾「リード」 https://lead-takasaki.com/