良い言語化は、「良質なインプット」から生まれる
〜日本語検定は「伝わる言葉」を育む土台に〜
株式会社フライヤー
コンテンツDiv ゼネラルマネジャー
松尾 美里
相手を思いやる言葉選びが、チームや組織の力を引き出す
みなさんは、普段どれくらい「人の話」や「本の内容」を言葉にまとめる機会がありますか? お客様に企画書を書く、1on1でメンバーの相談を受けて課題を整理して伝える、映画の感想をSNSやnoteに投稿する――。仕事でもプライベートでも、思いのほか「インプットしたものをまとめて言語化する」場面は多いのではないでしょうか。
私は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」を運営する株式会社フライヤーで、要約やインタビュー記事の制作をしています。この仕事を選んだのは、ビジネス書を中心に本が大好きだからです。本は時空を超えて、多様で普遍的な知にふれられる貴重なメディア。その魅力やエッセンスをまとめることで、「この本を読んでみたい」と思う人が増える――そんな小さなきっかけをつくれたら嬉しいと思っています。また、インタビューを続けているのは、挑戦している人たちの想いや生き様を伝えることで、「私も挑戦しよう」と読者の背中を押せたらという願いがあるからです。
要約では「読む」、インタビューでは「聞く(聴く)」というインプットを通じて、「どうしたら本質を掴めるのか」「どうしたらその人や本の魅力を的確に伝えられるのか」と日々試行錯誤しています。その経験をまとめたのが拙著『読む・聞く、まとめる、言葉にする』(フォレスト出版)です。この「読む・聞く、まとめる、言葉にする」というプロセスを磨くことで、記事制作だけでなく、どの仕事にも役立つ「言葉にする力」が養われると感じています。
言語化で何より大切なのは、「これは相手にとってギフトになるだろうか」と、相手を思いながら一つひとつの言葉を選ぶこと。そうした意識や習慣が広がれば、チームや組織のコミュニケーションもスムーズになり、その力を最大限に発揮できるのではないかと考えています。
日本語検定は「良質なインプット」の宝庫
私が日々感じているのは、「良い言語化」と日本語力の深い結びつきです。言語化の質を高めるには、まず「良質なインプット」が欠かせません。日本語の基礎がしっかり身についていると、相手や目的に合わせた的確なアウトプットがしやすくなります。語彙力や文法などの知識は、相手に届く言葉を選ぶうえで欠かせないものです。だからこそ、言語化のプロセスを支えてくれる日本語検定は、心強い味方になってくれます。
日本語検定では、漢字、表記、敬語、言葉の意味、語彙、文法という6分野を通じて、日本語の総合力を養うことができます。試験問題の解説も丁寧で、復習しながら日本語の表現の豊かさを再発見できるのです。まさに、「読む・聞く」「まとめる」「言葉にする」力を高める上で、絶好のインプットだと感じ、日本語検定の理念にも大いに共感しました。
これまでSchoo、スタートアップカフェ大阪、人事図書館、日本広報協会、企業研修などで、「言葉にする力」に関する講義やワークショップの機会をいただいてきました。これからも自分自身の「言葉にする力」を磨きながら、個人はもちろん、チームや組織で「伝わる言葉」を育むお手伝いを続けていきたいと思っています。
「伝わる言葉」を探し続けるそのプロセス自体が、自分自身や周囲を深く理解し、異なる意見を持つ人同士の架け橋になる――そんな力を秘めています。微力ながらも、この楽しさと奥深さを、これからもみなさんに伝えていけたら嬉しいです。
松尾 美里(まつお みさと)
編集者・ライター
株式会社フライヤー コンテンツDiv ゼネラルマネジャー
日本インタビュアー協会認定インタビュアー
京都大学文学部にて社会学を学び、インタビュー調査を通じて「聞く」ことの奥深さに気づく。株式会社Z会を経て、2015年株式会社フライヤーに参画。本の要約のライティング・編集を行う。
書籍の要約制作は約870冊に及び、フライヤーや他のメディアにて、経営者・著者・各界のプロフェッショナル約600名にインタビューを行う。ライフワークは、新たな挑戦をしている方々の生き様や想いを聞き、伝えること。
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