このたびは、文部科学大臣賞という素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。このお知らせを聞いたとき、私は喜びと感げきで、むねがいっぱいになりました。受賞を知った家族も友達も、まるで自分のことのように喜んでくれました。自分の思いを言葉にするということが、こんなにも自分や周りの大切な人の心を温かくするんだな、と改めて実感しました。
私は作文を書くことが大好きです。自分の気持ちにぴったり合う言葉を探せたり、場面の様子をうまく表現できたりすると、何とも言えない、晴れやかな気持ちになります。今まで知らなかった、新しい言葉に出あうと、日本語の美しさや意味の深さ、言葉の広がりを感じて、わくわくします。日本語大賞に応ぼした作品も、こんなふうに、自分のまわりにある言葉と楽しく向き合いながら書きました。
この作品を書いたとき、母は入院していました。でも、私が作文を書いたのは、さびしかったからではありません。病院にいる母や、私を見守ってくれている家族に、私は元気だよ、大丈夫だよ、と伝えたかったのです。母が入院した最初の数日間は、さびしい気持ちもあったけれど、作文を書いていくうちに、私はどんどん元気になりました。もしかしたら、書くことで自分をはげましていたのかもしれません。私はこの作品を通して、言葉には、自分や大切な人を元気づけるやさしい力があると気づくことができました。言葉の持つ温かさに気付かせてくれた日本語大賞に、感しゃの気持ちでいっぱいです。
私は今も、家族や友達から、心がほっとする言葉をたくさんもらっています。「ありがとう」「がんばってるね」「大丈夫だよ」。どの言葉も、私の大切な宝物です。私の心にはいつも、みんなからもらったやさしい言葉がかがやいています。悲しいことや困ったことがあったとき、この言葉たちが私をはげまして、勇気づけてくれます。そして、みんなからもらった言葉のぬくもりが、私の体中に広がっていくような気持ちになります。文部科学大臣賞をいただいた日から、私は作文を通して、この温かさを大好きな人に伝えたいと思うようになりました。私はこれからも、言葉の向こうに大切な人たちの笑顔を思い浮かべながら、作文を書いていきたいと思います。
本当にありがとうございました。