随時更新中!レフト鈴木の日本語お笑い道場

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掲載のタイミングの関係で報告が遅くなりましたが、先日、平成27年度第2回日本語検定の合否結果が発表されました。受検された皆さんはドキドキしながら結果を確認したのではないでしょうか?

かく言う僕も二度目の認定を目指し、1級を受検しました。その結果は...残念ながら不合格!悔しいー!!

ちなみに総合の得点率は77.8%でした(合格ラインは80%)。しかも文法の分野の正解率が60%を切ってしまったので、準1級認定も逃してしまいました。言い訳するわけではありませんが、かなりギリギリの不合格です。

くっそー!!もう一度勉強し直して、次は絶対認定いただきます!

ところで、今回の1級の問題を振り返ってみると、全体的に「実践力」を試すような問題が多かったように思えます。

特に問3や問6は、単に正しい文法や言葉の意味を理解しているだけではなく、シチュエーションや相手の心情等、様々な条件を考慮しなければ正解を導き出せない問題ではなかったでしょうか。正確な知識だけではなく、それを適切に使う応用力も同じくらい大事なものなのかもしれませんね。

というわけで今月は、実際に今回の1級の問題に出て来た言葉の面白い応用例をご紹介したいと思います。皆さんもこれを読んで一緒に1級レベルの言葉を覚えましょう!

題して「1級レベルの言葉を使ってみよう!」

「自家撞着(じかどうちゃく)」

〜同じ人の言動に前後で矛盾があること〜

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男「何食べてるの?」
女「チョコレートよ。モグモグ。これ、おいしい!」
男「お正月に、今年こそダイエットして、絶対痩せるって言ってなかった?」
女「甘い物は別腹よ!」
男「でも、さすがに寝る前はやめた方が...」
女「今からジョギングするからいいのよ!」
男「今、深夜2時だけど?今年は早寝早起きして、規則正しい生活をすることで内側からキレイになるって...」
女「そんなことより、ちょっとお金貸してくれない?シャネルのお財布がほしいの。」
男「今年は節約してお金を貯めるとも言ってたよね?」
女「だ~か~ら~、貯めたお金を入れるために財布を買うのよ!あなたのお金でね!」
男「自家撞着しまくりじゃんかよ!」

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問16の一で出題された四字熟語です。「自家」は自分自身、「撞着」は突き当たる、矛盾するということを意味しています。

日本語検定の四字熟語の問題は、漢字の穴埋めと、正しく使っている例文の選択の両方が正解していないと得点にならないので、漢字と用法を一緒に覚えてしまいしょう!

それにしても「自家撞着」だらけの女性ですね。でも、意外とこういうワガママな女性が突然玉の輿に乗ったりするんですよね~。そして一言、「やっぱり世の中、お金より愛の方が大切よね~」とか言ったりしそうです。

「知らぬ顔の半兵衛(しらぬかおのはんべえ)」

〜素知らぬ顔をして、取り合わないこと〜

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~取り調べ室にて~

刑事A 「白状しろ!お前がやったんだろ!?」
容疑者「さあな」
刑事A 「証拠はあがってんだ!もう逃げられないぞ!」
容疑者「何の話か分からねえな」
刑事B 「完全にしらを切っていますね」
刑事A 「おい!このまま知らぬ顔の半兵衛を決め込もうってのか!?そうはいかねえぞ!」
容疑者「知らねえなあ。ん?てか、あんたどっかで見たことあると思ったら、この前飲み屋街で擦れ違ったおっさんじゃねえか。一緒に腕組んで歩いてた女が若くて綺麗だったからよく覚えてるよ。あの女はあんたの嫁さんか?それとも...浮気相手だったりして」
刑事A 「え!それは...ちょっと何のことだか分かんない」
刑事B 「いや、あんたも知らぬ顔の半兵衛かよ!」

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この言葉は問7の三で出題されました。問7は間違って使われている慣用句を訂正する問題なので(今回の出題では「半兵衛」が「官兵衛」になっていました)、正確な知識が要求されます。

普段から正しい言い方をしっかりと覚えるようにしましょう!

正しい言い方の「半兵衛」とは、戦国時代の武将、竹中半兵衛重治のことです。織田信長が半兵衛の元にスパイを送り情報を引き出そうとしたのですが、半兵衛はそれに気づいていないふりをして、逆に織田側の情報を手にしたと言われています。かなりの知将だったようです。

ちなみに「官兵衛」こと、黒田官兵衛孝高もまた知略に優れた戦国武将で、後に豊臣秀吉の軍師として、半兵衛と共に「両兵衛」と並び称されました。

それにしても、本当にこんな刑事さんがいたら頼りないですね~。まさか取調室で自分が追い詰められることになるなんて思ってもみなかったことでしょう。

この後、容疑者の方が刑事Aに対して「カツ丼食うか?」とか言い出しそうです。

「がんぜない」

〜まだ幼くて聞き分けがない様子〜

「卓論(たくろん)」

〜優れた論説〜

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~バラエティ番組にて~
司会者「それでは本日のゲストをご紹介します。経済評論家の田中一郎さん、
東京大学教授の佐藤康夫さん、それから、今日から始まるドラマの番宣のために来た、天才子役の佐々木直也君でーす!直也君はまだ6歳なのにドラマの主演なんですね~!」
直也君「はい!そうです!頑張ります!」
司会者「期待してますよ~。それでは早速ゲストの皆さんに色々質問していきたいと思います!まず、お母さんの作る料理で一番好きな物は何ですか、田中さん?」
田中氏「え?私ですか?私は...肉じゃがですかね」
司会者「そうなんですね~。じゃあ、お父さんやお母さんに連れて行ってもらった場所で、一番思い出に残っているのはどこですか、佐藤さん?」
佐藤氏「は?私ですか?え~っと、そうですね。中学時代の夏休みに連れて行ってもらったマチュピチュは、未だにはっきり記憶に残っていますね。あれは美しかった」
司会者「なるほど~!それではTPPについてはどう思いますか、直也君?」
田中氏「いや、さっきから質問する相手おかしいだろ!」
佐藤氏「なんで子供に聞くようなこと大人に聞いて、そんな難しいことをがんぜない子供に聞くんだよ!?」
直也君「そうですね。関税が撤廃されることで食品の値段が下がれば、消費者にとってはありがたいとは思いますが、国内の農家等の生産者にとっては大きな打撃になると思います。やはり政府にはその辺りのバランスを考えたうえで、日本の食料自給率低下に歯止めをかけてほしいと思います」
田中氏「...まさに卓論!」
佐藤氏「...恐るべし、天才子役!」

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「がんぜない」は問10の一で、「卓論」は問8の六の正解の選択肢として出題された言葉です。それぞれ「言葉の意味」「語彙」の領域から出題されています。

語彙力を高めるコツは、一つの言葉を覚えたらその言葉の類義語、対義語もセットで覚えることです。そうすることで2倍、3倍のペースで語彙が増えていくのでオススメです。

それにしてもしっかりした子供ですね。この後三人で日本の未来について激論を交わしそうです。

もちろんこれはネタではありますが、最近はしっかりと自分の意見を言える子供を実際にテレビ等でよく見かける気がします。僕も、もしまたテレビに出られることになった時に、小学生から「レフト鈴木さん、今の日本語おかしいですよ!」なんて言われないように気をつけたいものです。

今回は実際に1級で出題された言葉をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?これをきっかけに1級に挑戦する方が増えたら嬉しいです。一緒に頑張りましょう!

突然ですが、ここでお知らせです。僕達くりおねが2月25日(木)に新宿Vatiosというところで第2回単独ライブを行うことになりました!タイトルは「くりおねミュージアム」といいます。

僕のTwitterやブログに詳細が載っていますので、是非僕達のネタを見に来てくださーい!よろしくお願いします!

レフト鈴木

1987年埼玉県生まれ。千葉大学卒業。お笑いトリオ「くりおね」ツッコミ担当(ワタナベエンターテインメント所属)。フジテレビ「日本語探Qバラエティクイズ それマジ!?ニッポン」、テレビ朝日「GURIGURIくりぃむ」、チバテレビ「Girl’s Pop’n Party」「おはYo! HIテンション」等に出演。2013年日本語検定1級に認定。
アメブロ:http://ameblo.jp/hidekasuzuki/
ツイッター:@leftsuzuki

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