先日電車の中で、女子高生が友人に、「昨日のあの番組見た？私、家で見てて一人で爆笑しちゃったんだけど！」と言っているのを耳にしました。

「爆笑」という言葉の意味は、『新明解国語辞典（三省堂）』によりますと、「その場に居る人が一斉にどっと吹き出すようにして笑うこと」となっています。なので、「一人で爆笑」という使い方は誤っているということになります。最近よく耳にする誤用だと思います。

ちなみに、その女子高生はその後こうも言っていました。「てか、昨日お母さんが激おこぷんぷん丸で、めっちゃディスられて、マジさげぽよだったんだけど！鬼ダルいんですけど！」

※これに関しては、誤用どころか一つも意味が分かりませんでした。僕もまだまだ勉強不足のようです。

※編集部註「それよりも、昨日お母さんが大変に激怒していて、めちゃくちゃ非難されて、本当に気分が落ち込んで、非常に疲れたんだけど」くらいの意か。

さて、今回はこのように誤用されることが多い言葉の本来の意味をご説明し、その言葉の面白い使用例を紹介していこうと思います。題して「正しい意味で使ってみよう！」

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父親 「よーし！ケンジ！今日は日曜日だから、お父さんが遊んでやるぞ！」
ケンジ 「やったー！」
父親 「何して遊びたい？」
ケンジ 「そうだな～。昨日足を捻挫しちゃった上に、今日は風邪気味で、外は土砂降りの雨が降ってるから…公園でラグビーしたい！」
父親 「なんでだよ！全然潮時じゃないよ！」

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「あのピッチャーはもう潮時だ」のように、「やめ時」という意味で誤用されることが多いこの言葉。実はむしろ逆の意味だったんですね。

「引退すること」も含めて「物事を行うのに適した時期」と解釈するならば、この場合、「あのピッチャーは引退する潮時だ」の様な文にすれば、しっくりきそうです。

それにしても、この状況でラグビーを選択するなんて、ケンジ君は将来たくましいラガーマンに成長するかもしれませんね。

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夫 「今日は久々の休みだから、朝ご飯もいつもより味わって食べられるぞ～。やっぱり妻が作る卵焼きは美味しいなあ。よく噛んで食べようっと」

～３時間経過～

夫 「本当に美味しいなあ、この卵焼き。あれ？もうこんな時間か。おーい。そろそろお昼ご飯にしよう」
妻 「どんだけおもむろに朝ご飯食べてんのよ！お昼になっちゃったじゃない！」

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「急に」「出し抜けに」といった意味での誤用が多い言葉ですが、実は全く逆の意味の言葉だったんですね。ちなみに、漢字では「徐に」と書きます。

しかし、いくら奥さんの料理が美味しいからといって、このペースで食べていたら、せっかくの休みが食事だけで終わってしまいますね。

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アナウンサー 「放送席！放送席！本日、逆転満塁ホームランを打った、佐々木選手にインタビューしたいと思います！」
佐々木選手 「ありがとうございます！」
アナウンサー 「早速ですが、佐々木選手！好きな食べ物は何ですか！？」
佐々木選手 「え？食べ物？カレーですけど」
アナウンサー 「なるほど～！それでは、好きな動物は何ですか？」
佐々木選手 「動物…？う～ん。ライオンですかね」
アナウンサー 「うわ～！僕と一緒ですよ！ところで、無人島に何か一つだけ持っていくとしたら、何を持っていきますか！？」
佐々木選手 「いや、試合のこと聞けよ！さっきから質問がぞっとしないよ！」

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「恐ろしくない」という意味であると思われがちのこの言葉。実はこういった意味の言葉だったんです。

ちなみに『日本国語大辞典（小学館）』によりますと、「ぞっとする」という言葉には、「恐ろしさで身の毛がよだつさま」という意味の他に、「美しいものに出あったりして、強い感動が身内を走り抜けるさま」という意味もあります。

それにしても、本当にこんなヒーローインタビューがあったら、球場に来ているファンから大ブーイングでしょうね。逆に見てみたい気もします。

今回は新しいテーマで書いてみましたが、いかがだったでしょうか？

万が一、「なんか今回の日本語道場はぞっとしないな」なんて声が聞こえてきてしまったら、僕はかなりぞっとしてしまいますが！