随時更新中!レフト鈴木の日本語お笑い道場

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 先日は平成29年度第2回日本語検定が行われましたね。受検された方はお疲れ様でした。僕も3度目の1級認定を目指して受検してきました。まだあくまで自己採点ですが、今回も手応えは十分です!これでもし受かっていたら、もうプロフィールの「趣味」の欄に「日本語検定に合格すること」と書いてしまおうかと思っています。
 まあ、もちろんそれは半分冗談ですが、僕が初めて日本語検定を受けてから早4年半が経ちまして、受け続けるうちに段々「慣れ」が出てきたように思います。最初に受検した時は、受検票に写真を貼らなければならないことを知らず、試験当日に慌ててスピード写真ボックスで撮影して、コンビニでハサミとノリを借りて貼ったり、試験が始まってからも、緊張からつまらないミスをしてしまったりしていましたが、最近は当日になっておろおろ、どきどきすることもなくなりました。以前も書かせていただきましたが、とにかく当日は平常心を保つことが重要です。正直に言って、前日までの勉強でほとんど結果は決まっていると僕は思います。後は腹をくくって悔いのないように解答用紙に向かうだけです。そうすれば、結果が出るまでの約1ヶ月間も不思議と心穏やかに過ごせるものですよ。
 さて、今回の1級の問題ですが、難易度は標準的だったかな~と思います。個人的には問14の形式がここ数年のものではなく、日本語検定が始まった当初の形に戻っていたのが驚きでした。恐らく意表を突かれた受検者も多かったのではないでしょうか?
 それでは今回は検定終了直後ということで、1級の問題に実際に出題された言葉の面白い使用例を紹介する、恒例のこの企画をお送りしたいと思います。ご存じ「1級レベルの言葉を使ってみよう!」


・「仮借ない(かしゃくない)」

わずかな過ちも見逃さないさま、一切の手加減をしない様

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~グルメ番組にて~
司会者「こんにちは!今週も始まりました『グルメ大行進』、今日のゲストはおバカタレントの宮崎みなみちゃんでーす!」
みなみ「よろしくお願いしまぁ~す。九九は1の段しか言えませぇ~ん」
司会者「さすが、すごいおバカですね~。それでは早速、こちらのお店のラーメンをいただいてみましょう」
 店主「当店おすすめの醤油ラーメンです。どうぞ!」
司会者「いや~美味しいですね!みなみちゃんはどう?」
みなみ「う~ん、悪くはないと思うんですけど、ちょっとありきたりな味ですねぇ~。あっさりしていると言えば聞こえはいいですけどぉ、なんか味が薄くてぼんやりしているしぃ、トッピングにも個性が感じられないっていうかぁ、これ、わざわざテレビで取り上げるほどのラーメンなんですかぁ?」
司会者「いや、仮借ない言い方だな!おバカタレントなんだから、こういう時は大して美味しくなくても『とっても美味しいでぇ~す』とか笑顔で言っておけばいいんだよ!正直、言ってることは当たってるけど!」
 店主「二人揃って何なんだ!もう二度と来るなー!」


 問10の一で出題された言葉です。「仮借」単独であれば「罪などを許し、見逃すこと」、文字通り「借りること」という意味もあります。
 あるタレントさんがラジオで言っていたのですが、グルメロケであまり美味しくないものが出てくることはたまにあるらしく、それでももちろん「美味しい!」と言っているそうです。その方曰く「表情とか良く見たら、演技なのか本当なのか分かる」らしいです。う~ん...そういう疑いの目で見始めると、もうまともにグルメ番組は見られませんね。


・「七重の膝を八重に折る(ななえのひざをやえにおる)」

丁寧な上にも丁寧な態度で懇願したり陳謝したりする

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     娘「お父さん、ちょっと見て欲しい動画があるの」
     父「ん?動画?」
     娘「そう、これなんだけど」
動画の中の男「どうも~ミキちゃんのお父さん、初めまして!ユーチューバーのタモ・タモツでーす!突然ですが、お願いがあります。娘さんを僕にください!あとチャンネル登録してくださ~い♪」
     娘「どう?」
     父「どうって何だよ!?いいわけないだろ!なんで直接挨拶に来ないんだよ!ちゃんと七重の膝を八重に折れよ!」


 問4の二で出題されました。あたかも膝を幾重にも折り重ねたかのように姿勢を低くしている様を表した言葉です。ちなみに僕は正解することができなかったので、しっかりと覚える為にもネタにしてみました。
 それにしても無礼な男ですね。しかし、今は通信手段も発達していますし、海外に移住する人も増えています。近い将来テレビ電話を使って親族同士が顔合わせするなんてことも普通になるかもしれませんね。とはいえ、ユーチューバーと自分の娘が結婚するとなったら、どんな父親でも反対しそうな気はします。まあ、芸人をやっている僕が言えたことではないですが。


・「矜持(きょうじ)」

誇り、プライド

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~張り込み中の刑事の会話~
後輩「犯人のやつ、なかなか動きませんね」
先輩「そうだな」
後輩(心の声)「この先輩とペアを組むのは初めてだけど、なんでも署内一の名刑事らしいから、しっかり勉強させてもらおう」
先輩「そろそろ昼飯にするか。アンパンと牛乳買っておいたぞ」
後輩「ありがとうございます。ん?なんか見慣れないアンパンですね」
先輩「ああ、これは銀座の高級なパン屋で買ったアンパンで、なかなか手に入らない代物なんだが、昨日2時間並んで買ってきた。ちなみに牛乳も北海道の牧場から取り寄せた最高級のものだ」
後輩「そうなんですか」
先輩「ああ、何てったって俺は署内一の食通刑事だからな。張り込み中にじっくり味わって食事していたせいで犯人を取り逃がしたことも何度もあるが、そんなことは気にしない。誰よりもうまいものを食う、それが俺の誇りだ!」
後輩「いや、どこに矜持を持っているんですか!あっ!犯人がこちらに気づいて逃げ出しましたよ!追いましょう!」
先輩「何だと!しかし、このアンパンの皮はゆっくり噛まないと上質小麦の深い味わいが出ないんだ!ちょっと待て!」
後輩「もう勝手にしろ!」


 問11のウで出題された言葉です。慣用読みで「きんじ」とも読みます。個人的に好きな言葉なので、受検中にちょっとテンションが上がりました。なんか響きがかっこいいですよね。
 刑事の張り込みというとアンパンと牛乳のイメージが強いですが、実際はどうなんでしょうか?今はコンビニでも本格的なパンが何種類も売っている時代ですし、テイクアウトのできるオシャレなカフェもいたるところにあります。意外と、「先輩、言われた通り、ストロベリー・ピーチ・パイとキャラメル・マキアート買ってきましたよ」「バカ野郎!俺が頼んだのはラズベリー・ピーチ・パイとキャラメル・カプチーノだ!そんなんじゃいつまで経っても一人前の刑事になれねえぞ!」なんて会話が...されている訳ないですね。


 今回はいかがだったでしょうか?1級を受けられた方にはおさらいに、これから受けようと思っている方には勉強のとっかかりにしていただけたら嬉しいです。いすれにしても、前回受検した時と同じく、枕で「手応え十分です!」なんて書いてしまったので、後はもう受かるしかありません。次回のこのコラムの冒頭で僕がどういう報告をするか、楽しみに待っていてください!た、多分大丈夫だと思います!お、恐らくですが...

レフト鈴木

1987年埼玉県生まれ。千葉大学卒業。お笑いトリオ「くりおね」ツッコミ担当(ワタナベエンターテインメント所属)。フジテレビ「日本語探Qバラエティクイズ それマジ!?ニッポン」、テレビ朝日「GURIGURIくりぃむ」「『ぷっ』すま」、TBS「有吉ジャポン」、チバテレ「Girl’s Pop’n Party」「おはYo! HIテンション」等に出演。日本語検定1級に過去2回認定。
アメーバブログ:http://ameblo.jp/hidekasuzuki/
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ユーチューブ:https://www.youtube.com/channel/UCLBQrhXN7UsOA2V50oTCqMg

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