随時更新中!レフト鈴木の日本語お笑い道場

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 寒い日が続いていますが、皆さんは体調を崩したりしていらっしゃらないでしょうか?ちなみに僕は元気にお笑いの活動と父親としての仕事を両立しております。我が子も早いものでもう生後3ヶ月になりまして、体重も随分と増え、抱っこするたびにその生命の重さと、父親としての責任の重さを感じているところです。お笑いの方も、今年最初の事務所ライブで優勝したり、テレビ番組の収録に行かせてもらえたりと、上々のスタートを切れましたので、今年こそはブレイクの年になるかもしれません。頑張ります!
 さて、話は変わりますが、「なんでグループ名が『くりおね』なの?」と聞かれることがよくあります。「くりおね」の名前の由来は、実は特に意味とかはなく、「何となく言葉の響きが可愛いから」というものです。「そんな理由かよ!」とツッコまれた方もいらっしゃるでしょうが、本当にそうなんです。約5年前、トリオを結成し、三人で名前を考えた際に、「とにかくポップで女性ウケしそうな可愛い名前が良い」ということになり、色々と考えた結果「くりおね」に決まりました。平仮名にしたのも、その方が印象が丸くなるからです。ちなみに最終選考まで残ったのは...「えくれあ」でした。
 この「くりおね」というグループ名は周りの芸人仲間からの評判も良く、自分達自身も気に入っていたのですが、一つ問題が。それは、インターネット検索で「くりおね」と入力すると、本家の「クリオネ」の情報が大量に出てきてしまうということです。これには困りました。先述のように、あくまで言葉の響きだけで決めた名前なので、「クリオネ」の姿形等は一切考慮していなかったのですが、ある友人には「『くりおね』で検索したら動画が出てきたんで、『ネタの動画かな?』と思って見てみたらクリオネの餌の捕食シーンで、超気持ち悪かったんだけど!」と、ちょっとした苦情まで言われる始末でした。後で僕も検索してみたら...本当にかなりグロかったので、心臓の弱い方は再生する前によく確かめてください!そして、今後このような被害?を少しでも減らすためにも、僕達「くりおね」も本家「クリオネ」と同じくらい世間に認知してもらえるように頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします!
 さて、今回は言葉の由来、つまり語源にスポットを当てた新企画です。普段何気なく使っている言葉の意外な語源を紹介するとともに、その言葉がどんな場面で生まれたのかを僕が「勝手に」推測するというものです。それではいってみましょう!題して「語源を調べてみよう!」


・「大丈夫(だいじょうぶ)」

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 「丈」とは古代中国の長さの単位で、身長が一丈に近づいた大人の男性を元々「丈夫」と呼んでいたそうです。ちなみに当時の「一丈」の長さは約170cmで、ちょうど現代の日本人男性の平均身長くらいです。僕は身長178cmなので、当時なら余裕で「丈夫」ということになりますね。
 時代が下って、さらにその丈夫の中の丈夫を「大丈夫」と呼ぶようになり、それが日本にも伝わって、体が健康なことを表すようになり、やがて「間違いなく」「確かに」という意味に変化したと言われています。
いつも何気なく使っている言葉ですが、中国で生まれた言葉だったんですね。きっと「大丈夫」という言葉は、こんな場面から生まれたのではないでしょうか?

家来A「皇帝陛下は潔癖な方でいらっしゃるから、掃除はしっかりやらないとな」
家来B「めんどくさいっすね~。適当にやりましょうよ」
家来A「何言ってるんだ!陛下を怒らせたら文字通り首が飛ぶぞ。あ、ほら、お見えになった」
皇帝「その方ら、ご苦労だったな。ちゃんと掃除はできているか?どれどれ...おい!寝台の下が埃だらけじゃないか!ここを担当したのは誰だ!?」
家来B「あ、俺でぇ~す。さぁ~せん」
皇帝「なんだその態度は!その方、命が惜しくないのか!?」
家来A「申し訳ございません!すぐにやり直させますので!ほら、お前も謝れよ」
家来B「いや~流石皇帝陛下っすねぇ。怒った顔も迫力あってかっこいいっすわぁ。マジ憧れちゃいますよぉ」
皇帝「何?」
家来B「背もめっちゃ高くて体つきもマッチョで、まさに男の中の男、丈夫の中の丈夫、陛下は『大丈夫』っすね!」
家来A「おい、何だよ『大丈夫』って!?そんな言葉聞いたことないぞ。意味不明なお世辞言ってないで早く謝れって!」
皇帝「丈夫の中の丈夫で『大丈夫』か。まさに朕にぴったりの言葉だ。気に入った!おい、その方!ついてこい!一緒に馳走でも食おうじゃないか」
家来B「あざぁ~っす!」
家来A「えぇ!?あの...私は?」
皇帝「その方は掃除の続きをしておれ。また手抜かりがあれば、箒で百叩きの刑に処すぞ!」 家来A「そりゃないっすよ...」


・「てんてこ舞い(てんてこまい)」

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 江戸時代、お祭りの際に男装した女性が山車や神輿を先導して踊り歩くことがありました。その踊りは賑やかなお囃子に合わせて素早く手足を動かすもので、「てこ舞い」と呼ばれていたそうです。やがてその踊りのように慌ただしい様子を「てこ舞い」と呼ぶようになり、さらに口調をよくするため「てん」が頭について、「てんてこ舞い」と言うようになったということです。
 女性が男装して踊り歩くお祭り、もしかしたら現代で言うところの「ハロウィン」のようなものだったのでしょうか?時代が変わり、文化も変わっていきますが、大勢で集まってワイワイ騒ぐことが好き、という気持ちは今も昔も同じなんですね。
 きっと「てんてこ舞い」という言葉は、こんな場面から生まれたのではないでしょうか?

 母「さあ、今日は大晦日だよ!早くお正月の用意を済ませちまわないと。まずは家の大掃除だね。それからおせち料理も作らないと。もう時間がないから一遍にやるしかないね。ああ、忙しい!」
息子「すげえ!おっかさん、料理を作りながら掃除もしてるよ。動きもしゃきしゃきしてるねぇ」
 父「本当だな。独楽みてえにくるくる回ってらあ」
息子「なんかお祭りで見る『てこ舞い』の動きに似てねえか?」
 父「確かに、そっくりだな!」
息子「じゃあ、これからこんな風に忙しい様子を『てこ舞い』って呼ぶのはどうかな?」
 父「いいじゃねえか!流石俺の倅、言い得て妙だぜ」
息子「あ、でも『てこまい』だとなんだか言いにくいから、頭に『てん』をつけて『てんてこ舞い』って言った方がしっくりくるんじゃねえかな?」
 父「こりゃたまげた!おっかさん、聞いとくれ!うちの倅は天才だぞ!新しい日本語を考え出しやがった!」
 母「そんなのどうでもいいから、少しは手伝えってんだよ、この馬鹿父子!」


・「足を洗う(あしをあらう)」

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昔、仏教の僧侶は裸足で修行や托鉢に出ており、寺に帰ってきてから汚れた足を洗うことで心身をともに清めていたそうです。そこから悪い行いや習慣を改めるという意味で「足を洗う」という言葉が使われるようになったとのことです。今ではその意味がさらに転じて、悪業か正業かに関わらず、単に職業を変えるという意味でも使われるようになりました。
 きっと「足を洗う」という言葉は、こんな場面から生まれたのではないでしょうか?

男A「おう、留吉じゃねえか。今日も賭場に行ってきたのか?」
男B「いや、実は俺もう博打やめることにしたんだ」
男A「え!おめえが博打をやめる!?雪でも降るんじゃねえか?」
男B「冗談じゃなくて本当にやめることにしたんだ。子供もでかくなってきたし、そろそろ本気で家族のこと大事にしなきゃって思ってさ。知ってるか?昔の坊さんは托鉢から戻ったあと、足を洗うことで心身の汚れを清めてたんだってよ。だから俺もそれに倣って、今から湯屋へ行ってしっかりと足でも何でも洗って、この暮らしから抜け出そうと思ってさ」
男A「なるほどな。賭場から『足を洗う』ってわけか。でも本当にやめられるのか?どうせ湯から出て、その足でまた賭場に向かうんじゃねえのか?」
男B「もうやらねえって言ってんだろ!おめえもしつけえ野郎だな!よーし、じゃあ俺が博打をやめられるかどうか、賭けようじゃねえか!さあ、いくら張るんだ!?」
男A「やっぱりおめえ、やめる気ねえじゃねえか!」


さて、今回は新企画をお届けしましたが、いかがだったでしょうか?語源に関しては諸説あるものも多く、今回紹介したのはあくまで僕の調べで分かったものです。僕としては、語源を知ることでその言葉に対する理解も深まりましたし、何より調べていて楽しかったです。なので、皆さんも勉強していて気になる言葉があったりしたら、インターネット等で語源を調べてみるのもいいかもしれませんよ。もちろん、ついでに「くりおね」も検索してもらえるとありがたいです!

レフト鈴木

1987年埼玉県生まれ。千葉大学卒業。お笑いトリオ「くりおね」ツッコミ担当(ワタナベエンターテインメント所属)。フジテレビ「日本語探Qバラエティクイズ それマジ!?ニッポン」、テレビ朝日「GURIGURIくりぃむ」「『ぷっ』すま」、TBS「有吉ジャポン」、チバテレ「Girl’s Pop’n Party」「おはYo! HIテンション」等に出演。日本語検定1級に過去3回認定。
アメーバブログ:http://ameblo.jp/hidekasuzuki/
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