随時更新中!レフト鈴木の日本語お笑い道場

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 こんにちは!レフト鈴木です。皆さん、令和最初の夏は楽しんでいらっしゃいますでしょうか?暑すぎて外に出るのが億劫ですが、こんな時こそ海やプールに入れたらさぞ気持ちいいでしょうね。涼もうと思ったわけではないのですが、僕は先日仕事の合間に、久しぶりに映画を見に行ってきました。今話題の『天気の子』です。
大ヒット映画『君の名は。』の新海誠監督の最新作ということもあり、かなり注目度の高い映画なので是非見たいと思っていたのですが、その日急に予定が空いたので「今から見に行けないかな?」と思い、スマホで最寄りの映画館の座席の残り状況を調べてみました。その日は土曜日だったので、「流石に今からは無理かな?」と半ば諦め気味ではありましたが、わずかに残席があるということが分かりました。しかも座席表を見ると、なんと一番後ろの見やすそうな席が空いているではないですか!タッチの差で席が埋まってしまってはいけないと思い、すぐにスマホを操作してチケットを購入し、そして意気揚々と映画館に行き自分の席を探しました。
ところが、どんなに探しても最後列には僕のチケットに書かれた座席番号がありません。「ん?もしかして…」そうです!僕は焦るあまり、座席表の上下をよく確認しておらず、てっきり最後列だと思って実は一番見づらいとされている最前列を選んでしまっていたのです。「何やってんだよ、よく見ろよ!ていうか、普通こういうのは見えやすい席から埋まっていくんだから、最後の最後に最後列が余っている訳ないだろ!そこで気づけよ、俺の馬鹿!」という、まさかの自分へのツッコミでその日の映画鑑賞がスタートしました。もちろん、映画自体はとても面白かったですよ。
そんなわけで、すっかり首が痛くなってしまった僕ですが、皆さんもこの夏の暑さで体調を崩してはいませんか?「体が資本」とはよく言ったもので、体調を崩してしまっては何もできませんよね。そこで今回は「体の一部」が入っている慣用句をいくつかご紹介したいと思います。


・「眼光紙背に徹する(がんこうしはいにてっする)」

書物を読んで、書かれた言葉の奥にある深い意味まで見抜くこと

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<祖父と孫の会話>

    祖父「いやぁ、タケちゃんよく来たね。一人で電車に乗れるなんて、もう立派な大人だよ。いくつになったんだい?」
     孫「今年で26だよ!とっくにいい大人だよ!ところで、おばあちゃんは?」
    祖父「はて、そういえばいつの間に姿が見えなくなったが、どこじゃろか?」
     孫「あ、テーブルの上にメモがあるじゃん」
    祖父「どれどれ、なになに。『出かけてきます』?」
     孫「それだけ?」
    祖父「ああ。多分これは『今からトメさんのお家にお茶をしに行った後にスーパーで買い物をしてくるから、帰りは夕方5時くらいになります。タケちゃんが来たら、戸棚におまんじゅうとクッキーが入っているから、好きな方をあげてください。冷蔵庫にジュースもあります』という意味じゃな」
     孫「いや、『出かけてきます』の一言だけで、なんでそこまで理解できるんだよ!?いくら熟年夫婦だからって『眼光紙背に徹する』にも程があるよ!」

 今年の第1回日本語検定の2級で出題された四字熟語です(と、編集の人に教えてもらいました)。「眼光」とは物をじっと見つめるときの目の光(力)のことで、その光が強すぎて紙の裏側まで見通せてしまうほどに読解力が優れているという意味を表しています。
長年連れ添った夫婦だと、旦那さんが「おい」と言っただけで、何を欲しがっているのか奥さんは分かる、というのは聞いたことがありますが、「出かけてきます」だけであそこまで読み取れるのは、もはや超能力の域ですね。それだけ絆が強いということなのでしょうが、どんな夫婦生活を送ってきたらここまで分かり合えるのでしょうか?「目」だけに「皆目」見当がつきませんね。


・「耳が汚れる(みみがけがれる)」

汚らわしいことや、不快なことを聞いてしまうこと

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<大学生同士の会話>

    男A「あれ?また新しい服買ったのか?」
    男B「ああ。昨日買い物行ってきてさ。他にも結構買っちゃったよ」
    男A「よく見たら腕時計も買い換えてるじゃん。なんか最近羽振りいいよな。そんなにバンバン金使って大丈夫なのか?」
    男B「ああ、全然大丈夫だよ。むしろ余ってるくらいだ」
    男A「羨ましいな。でも、なんで急にそんなに余裕ができたんだ?」
    男B「まあ、ちょっとな」
    男A「おい、まさか何か悪いことやってる訳じゃないよな?」
    男B「う~ん。お前は親友だし、話してもいいかな。ちょっと耳貸せよ」
    男A「お、おう」
    男B「実は…バイトのシフトめっちゃ増やしたんだ」
    男A「いや、普通の理由じゃねえか!もっとすっと言えよ!てっきり『耳が汚れる』ようなこと言われるのかと思ったわ!ただの頑張り屋さんかよ!」

 「耳が痛い」、「耳にたこができる」など、「耳」を使った慣用句は沢山ありますが、今回はこの表現をご紹介しました。ちなみに、この場合の「汚れる」は「よごれる」ではなく「けがれる」と読みます。
 それにしても、やけに勿体つける友人ですね。でも悪いことに手を染めていなくて良かったです。やはり高額バイトなどの「耳寄り」な話には大体裏がありますし、そういう話には「耳を貸さない」のが一番です。バレなければ良いだろうという甘い考えは持たない方が賢明ですよ。「壁に耳あり」、悪事は必ず暴かれますから。


・「喉がひっつく」

ひどく喉が乾くこと

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<高校球児と女子マネージャーの会話>

(ある夏の日曜日の朝7時、高校のグラウンドで)

    高校球児「今日は全体練習は休みだけど、昨日の試合はピッチャーの俺がバテたせいで負けてしまったからな。俺一人でもしっかり投げ込むぞ」

(1時間後)

    高校球児「ふぅ〜。結構投げたな。気温も高くなってきたし疲れたなぁ。あれ?やべぇ、水筒持ってくるの忘れた。早く帰って水分とらないと」
    女子マネ「自主練お疲れ!」
    高校球児「あれ?マネージャー、なんでここに?」
    女子マネ「あんたのことだから、この前の試合の責任感じて、ここで投げ込みでもしてるんじゃないかと思って。で、どうせろくに朝食も食べてこなかったんでしょ?」
    高校球児「まあ、図星だけど」
    女子マネ「ちゃんと差し入れ持ってきてあげたわよ」
    高校球児「おお!助かるよ!ありがとう!早速もらっていい?」
    女子マネ「もちろんよ。バームクーヘンとカステラとドーナツと麩菓子があるけど、どれにする?」
    高校球児「いや、飲み物一つもないんかい!しかも口の中パサパサになるやつばっかりじゃねえか!ただでさえ喉乾いてるのに、こんなの食べたら『喉がひっつく』わ!」

 文字通り、喉が渇きすぎてくっついてしまいそうだ、という意味です。
 差し入れをしてくれる気持ちはありがたいですが、これは流石に文句を言ってしまいますね。彼はまず飲み物が欲しかったのですから。それこそ「喉から手が出る」ほどに。
 それにしても、この球児の姿勢は立派ですね。負けた責任を感じて翌日には投げ込んでいるなんて。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」人も多い中、彼には是非この悔しさをバネに次回頑張ってほしいですね。


 さて、「『体の一部』が入った慣用句を使ってみよう!」いかがだったでしょうか?今回この企画をやるにあたって「体の一部」を使った慣用句をいろいろ調べてみましたが、かなりの数があることが分かりました。それこそ全部調べるのには「猫の手も借りたい」ほどでしたので、また第2弾もやりたいと思います。皆さん「首を長くして」待っていてください!

レフト鈴木

1987年埼玉県生まれ。千葉大学卒業。お笑いトリオ「くりおね」ツッコミ担当(ワタナベエンターテインメント所属)。フジテレビ「日本語探Qバラエティクイズ それマジ!?ニッポン」、テレビ朝日「GURIGURIくりぃむ」「『ぷっ』すま」、TBS「有吉ジャポン」、チバテレ「Girl’s Pop’n Party」「おはYo! HIテンション」等に出演。日本語検定1級に過去4回認定。
アメーバブログ:http://ameblo.jp/hidekasuzuki/
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