随時更新中!レフト鈴木の日本語お笑い道場

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今回の検定を受けられた皆さん、お疲れ様でした!僕も二度目の1級認定を目指し、受検してきました!

手応えとしては五分五分といったところです!毎度のことですが、四択問題は終了時刻ギリギリまで悩んでしまいますね~。

特に今回、問6の文法問題は難易度が高く、かなり迷いました。とにかく結果が出るまでは、受検された皆さんと一緒にそわそわしたいと思います。

ところで、昨今テレビを見たり雑誌を読んだりしていると、「モチベーション」や「モラル」など、いわゆる「カタカナ語」というものが増えているように思います。

先日も服屋に行った時に、レジで僕の前に会計をしていた人と店員さんが、こんな会話をしていました。

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店員「このサイズでフィックスでよろしいですか?」
客「はい?」
店員「試着した時にフィットしましたか?」
客「えっと…多分したんじゃないですかね」
店員「フィットしたのであればフィックスでよろしいですか?」
客「はぁ…」
店員「えっと…ぴったりだったのであれば、この大きさで決定でよろしいですか?」
客「はい」

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「いや、どうせ日本語で言うなら最初からそうすればいいのに!お客さん困っちゃってるよ!」と思わずツッコミかけましたが、ぐっとこらえて僕もその後会計を済ませました。

日本人同士なのに英語(のような言葉?)を交えて会話するなんて、なんだかちょっと違和感がありますが、お役所やマスコミ、サービス業界などが率先して横文字を使うようになってきている現状を見ると、これから先どんどん日本語の中に「カタカナ語」が増えていきそうに思えます。

近い将来ラーメン屋の頑固オヤジが「お客さん!ラーメンのサイズはビッグでフィックスかい!?」なんて言い出す日も来るかもしれません。

なので今回は、そういった今後ますます使われそうな「カタカナ語」を、面白い使用例と共に紹介していきたいと思います。

題して「今注目のカタカナ語を使ってみよう!」

「アジェンダ」

〜行動計画〜

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夫「いや~、明日は久しぶりの温泉旅行だから、ゆっくりしたいよな。普段は何かと忙しくて時間に追われてるし」
妻「そうね!ゆっくりしましょ!とりあえず明日は朝5時に起床して、まずは伊豆に向かいましょう。その後は箱根に移動して、午後は草津に移動するわよ。それから最終便で別府に行って…」
夫「いや、一日で何箇所周るんだよ!アジェンダが過密だよ!」

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「議事日程」「協議事項」「政策課題」などの意味もある言葉です。皆さんもニュース等で耳にしたことがあるのではないでしょうか?このように一つの言葉に複数の意味があるのは、「カタカナ語」の一つの特徴と言えるかもしれません。

ちなみに「行動計画」の意味での用法は、1992年、ブラジルのリオデジャネイロにおける地球サミットで策定された「アジェンダ21」から広まったとも言われています。

それにしても、温泉旅行のアジェンダがこんなに過密では、全く体を休めることができなそうですね。せっかく有名な温泉に行っても、どこも「カラスの行水」で終わってしまいそうです。

「ディシジョン」

〜意思決定〜

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~レストランにて~

男「何食べ…?」
女「サーロインステーキとシーザーサラダ!」
男「何飲…?」
女「カシスオレンジ!」
男「デザート…?」
女「フォンダンショコラ!」
男「僕と結婚…」
女「いいよ!」
店員「あの女の人ディシジョン速いな~!」

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「決心」や「判断」といった意味のこの言葉、最近日本でも、大きなビジネスの意思決定をする時などによく使われているそうです。

それにしても、気持ちがいいくらいの速さでディシジョンする女性ですね。プロポーズした男性もきっと、その芯の強さに惹かれたのではないでしょうか?

「ユビキタス」

〜遍在する、至るところにある〜

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男A「お邪魔しまーす。ここが噂の新居か~。そんなに広くないけど、めっちゃいい家じゃん!」
男B「だろ?俺も気に入ってるんだよ」
男A「うらやましいわ~。あ、ちょっとトイレ貸してくんない?どこにあるの?」
男B「トイレだったらリビング出て左にあるよ。あと右にもあるし、玄関入って正面にもあるし、それからお風呂にも付いてるし、なんなら今お前が立ってる床板開けたら地下室に繋がってて、そこにもあるぞ」
男A「いや、どんな家だよ!トイレがユビキタス化してんじゃねえか!」

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主にIT関連の話題で耳にする言葉です。「ネットワーク等を誰でもどこでも使えるような状態」といった意味で使われることが多いそうです。

確かに最近では、喫茶店や駅などでもインターネット接続が簡単にできたりして、とても便利だと思います。

それにしても、トイレが至る所にあるなんて、変わった設計のお家ですね。そういえば、以前かなり広い駅で乗り換えをしようとした時に、急に用を足したくなりトイレを探しましたが、トイレの数が少なくて、駅中を駆け回ったことがあります。

そういった駅ではインターネットよりも、本当にトイレをユビキタス化してほしいものです。

今回は最近注目の「カタカナ語」の使用例を考えてみましたが、いかがだったでしょうか?

よく耳にするけれど正確な意味や使い方が分からない「カタカナ語」は、僕自身も正直、まだまだいっぱいあります。だから面白い使用例を考えることで、「カタカナ語」について皆さんと楽しく学んでいけたらいいなと思い、今回のようなコラムを書きました!

なので、皆さん!これからも「お笑い日本語道場」を読んで、僕と一緒にアグレッシブ(積極的)にボキャブラリー(語彙)を増やしていきましょう!

レフト鈴木

1987年埼玉県生まれ。千葉大学卒業。お笑いトリオ「くりおね」ツッコミ担当(ワタナベエンターテインメント所属)。フジテレビ「日本語探Qバラエティクイズ それマジ!?ニッポン」、テレビ朝日「GURIGURIくりぃむ」、チバテレビ「Girl’s Pop’n Party」「おはYo! HIテンション」等に出演。2013年日本語検定1級に認定。
アメブロ:http://ameblo.jp/hidekasuzuki/
ツイッター:@leftsuzuki

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